モンゴルは外国投資家に対し、次の比較優位を提供しています。
二つの大市場へのアクセス
北方では、資源の豊かなロシアシベリア地方、南方では、世界でもっとも成長の早い中国巨大市場
安定的政治環境
新憲法では、人権の尊重、基本的自由、民間所有の原則が導入されており、外国投資家の投資資産、投下資本に関する権利を法的に保障しています。
戦略的立地
北方は資源に恵まれたロシアシベリア地方に、南方は急速に発展する中国と国境を接する戦略的立地
豊かな自然資源
モンゴルの豊富な鉱物資源と大きい活用潜在性のある動物系原材料。
野生の自然と伝統、文化が豊かに保存された国土
競争的なビジネスコスト
低廉な原材料と操業コスト、時間当たりの製造コストは他国比かなり低い。
工場用地、オフィス賃料は経済的。
若い年齢構成と教育人口
30歳以下の年齢層が人口の70%を占める。識字率は90%を超える。
豊富で各国に競争的な労働力、効率的労働法。人権問題は存在しない。
安定的経済成長
現在、モンゴルは市場経済への移行を終えて、飛躍期に入っています。
財政、国際収支とも黒字でGDPはこのところ、7-10%程度の高成長を継続しています。
最近は、石油価格の上昇を主因に物価上昇が見られますが、政府は抑えこみに努力しています。
政策の要は自由貿易であり、輸出入、為替とも必要最小限の規制に止められています。EUはGSPプラスにより、約7200項目の関税ゼロ措置を実施しています。
格付け
世界的に名の通った格付け機関の評価では、S&Pが、BB-(Negative)-2008年12月19日、BB-(安定的)より変更、Moody’sが、 B1(レビュー中〕(2005年10月3日、B1(安定的)を付与)、およびFitchは、B(Negative)(2009年1月 19日、B+(Negative)より変更)です。
1997年と比べると世界不況の影響で、格付けが悪化しています。
時差 | グリニッチ標準時プラス8時間、日本時間マイナス1時間 |
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労働時間 | 9時-18時(1時間の昼食を含む) |
休日 | 12月31日-1月1日:新年 1月/2月の3日間:モンゴル新年(Tsagaan Sar) 3月8日:国際婦人日 6月1日:母親とこどもの日 7月11-13日:ナーダム国家休日 11月26日:独立記念日 |
ビジネス着 | 西欧のビジネスマンと同様 |
電圧 | 220ボルト/50HZ |
重量計測 | メトリックシステム |
通信 | カントリーコード: 976 ウランバートルエリアコード:1 |
主要空港、駅 | チンギスハーン国際空港(ウランバートル) ウランバートル駅:中央鉄道駅 スクバートル駅(モンゴルーロシア国境駅) ザミンウード(モンゴルー中国国境駅) |
国際航空ルート | モスクワ、イルクーツク、ウランウーデ(ロシア) ベルリン(ドイツ) 北京、フフホト(中国) アルマティ(カザフスタン) ソウル(韓国) 成田、大阪(日本) |
鉄道ルート | イルクーツク、モスクワ(ロシア)/トランスシベリア鉄道 フフホト、北京(中国)/トランスシベリア鉄道 |
海へのアクセス | 天津(中国)1,344km ナホトカ(ロシア)4,037km |
固定電話料金(2008)
タイプ | 契約料金 | 市内通話可能時間 | 市外通話及び |
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1 | 3,999 | 269 | - |
2 | 5,999 | 429 | 2,000 |
3 | 11,999 | 999 | 3,000 |
4 | 21,999 | 無限 | 4,000 |
オープン | 基本料金1500Tg+通話分の料金 |
※新規取付に関しては、個人と企業共に55,000トゥグリグの同額である。
電気代
(2008.7.15から電気代と暖房代が値上げされた)
住宅街(トゥグリグ/kw時) | ゲル地区(トゥグリグ/kw時) | |
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~150kW | 60 | 58 |
150kW~250kW | 64 | 62 |
250kW~ | 68 | 66 |
水道代
単位 | 給水(トゥグリグ) | 排水(トゥグリグ) | ||
---|---|---|---|---|
住宅や企業 | 工場用 | 住宅や企業 | 工場用 | |
m3 | 610 | 1,105 | 380 | 2,200 |
暖房代
単位: m3 | トゥグリグ |
---|---|
オフィスルーム | 282 |
地下室 | 265 |
オフィスレンタル
単位:m2 | US.ドル | |
---|---|---|
配置 | オフィスルーム | 製造業やサービス業経営用途の職場 |
市内中心地 | 12~16 | 12~19 |
その他の場所 | 7~10 | 8~11 |
燃料・ガソリン (Petrovis給油会社)
2009.3月現在 | トゥグリグ |
---|---|
A-80 | 890 |
A-92 | 990 |
A-95 | 1,340 |
A-98 | 1,490 |
ディーゼル | 1,190 |
1990年から2008年末現在で、99カ国から、9327の外国投資企業が登記されています。
直接投資金額は30億USドルで、その62.8%が、2004-2008年に投資されています。
2008年単年度では、1,551企業、708百万ドルに達しました。
産業分野別では、全投資額のほぼ半分、56.3%が鉱業・地質探査です。
貿易・レストラン部門が、20.5%, 銀行・金融部門が3.8%, 軽工業が3.6%, 建設・建設資材生産が2.1%,動物原材料の加工が1.8%です。
モンゴルにおける外国直接投資
対モンゴル国別外国直接投資額
1990 年の外国投資法(1993,1998,2002,2008 年に改正)により、法で禁止されたものを除き、外国投資家は、すべての生産、サービス分野でいかなる事業も主なうことができます。
外資単独または、モンゴル投資家と合弁事業を行うことができます。
2002年の改正は、外国投資の一層良好な法的環境の創造を目指したもので、潜在的長期投資家の法的条件を改善し、モンゴルへの外国直接投資の法的環境を国際水準に近づけました。
2006 年の税法改正により、事業会社に対する税金が5%引き下げられ、10%と25%になりました。
付加価値税は10%にしました。モンゴル政府はよりよい投資および事業環境の創造、官僚主義の削減、問題を早期に解決するようコミットしています。2001年には、手続き簡素化のため、特別許認可法により、事業許認可のための許認可数を600個から82個に削減しました。税関では、e-Customs サービスを開始しました。
モンゴル政府は下記戦略産業リストを承認し、2008年3月5日以降、その戦略産業に投資した企業に対し総投資額の10%に相当する所得税を減税します。
事前に税務署で手続きが必要です。
モンゴル国戦略産業リスト
分野 | 章 | 投資、拡張、改良する分野のリスト |
---|---|---|
農牧業 | ||
A.01 | 0161 | 農業支援取組み/農地への水供給システムにかかる機械類/ |
工業 | ||
C.19 | 1920 | 石油製品の生産 /石炭を直接及び間接的手段で精製し、液体燃料の製造/ |
C.19 | 1920 | 石油製品の生産/石油を精製し、ガスやガソリン、その他付属産品の製造/ |
C.24 | 2410 | 鉄鋼生産/鉄鉱石や鉄を利用して、鉄筋、道路用の鉄筋、配管、針金等の製造/ |
C.19 | 1910 | コークス加工品/石炭から気体や半コークス、コークス、樹脂、その他付属産品の製造、コークス燃料の製造/ |
C.20 | 2029 | 化学製品の生産/皮なめしに使われるオイルを作り出す/ |
C.24 | 2431 | 鉄やスチールの工場/鋳鉄・鉄鋼製品製造/電力・ガス製造・公共施設・建設 |
電力・ガス製造・公共施設・建設 | ||
D.35 | 3510 | 電力生産、配電作業/水力発電所、火力発電所及び高圧発電機の組み立て、その機具類/ |
D.35 | 3520 | ガス生産、その配給(ガスの供給、配給、輸送、販売活動) |
D.35 | 3510 | 電力生産、配電作業/ 地方の各郡に安定した電力を提供。太陽光発電、風力発電等の近代的技術を利用したサブステーションの設置/ |
D.35 | 3530 | 蒸気や空調関連設備・サービス/ 蒸気製造、集中型暖房供給源やインフラ配管関連施設の建設及び増設に必要な機械設備/ |
A*.36 | 3600 | 水貯えや洗浄活動/ 飲料用水や工場用水の源施設及びそのインフラ配管の建設や増設/ |
E.37 | 3700 | 廃水の貯え、洗浄活動/ 都市や集落地区での最新技術を採用した、環境を配慮した廃水処理施設やそのインフラ配管の建設及び増設/ |
E.38 | 382 | 廃棄物の収集、衛生処理、リサイクル活動/ ごみ処理、再生、焼却排除するための近代的機器所有工場の建設/ |
観光 | ||
F.41 | 4100 | 建築活動/国際基準を満たした、複合旅行サービスセンターの建設/ |
F.41 | 4100 | 建築活動/ 国際基準を満たした400人以上の大規模会議が可能なコンフェレンスルームを有する四つ星 あるいはそれ以上の級のホテル建設/ |
健康、体育 | ||
Q.86 | 8610 | 治療活動/病院用近代的診察機械/ |
教育、科学 | ||
P.85 | 852 | 機械技術に関する中等教育を与える取り組み/ 専門教育機関にエンジニア・技術の授業用実験設備、その他近代的機械設備を設置/ |
G.46 | 465 | 専門的、科学的、技術的活動におけるその他の取り組み/ 科学調査を行うための近代的機械および部品、実験用機械設備、ハイテクノロジーの導入/ |
情報・通信 | ||
C.26 | 2620 | コンピューターやその付属機械設備らの部品製造用機械 |
J.61 | 6110 | 有線通信/新時代のインターネットを活用した効率的なネットワーク機械設備/ |
J.61 | 6120 | 無線通信/ 都市や郡、集落地区、国境、国道沿いの無線通信用機器、サブステーション、その充電・電池、 アンテナタワー、サブステーションをメインセンターと繋ぐ中間施設の機械設備、光ファイバー、 その増設工事/ |
J.61 | 6130 | 衛星通信/公共向けの全国放送のテレビやラジオ番組を放送することが目的の衛星通信設備/ |
J.61 | 6190 | 電話通信のその他の手段/国際間ルート、都市間、県内、郡内レベルでのインターネット用設備装置/ |
J.62 | 6201 | コンピューターやプラグラム処理活動/各種ソフトウェア製品/ |
軽工業 | ||
C.13 | 1311 | 紡毛糸の製造、糸を梳かす、伸ばす、紡績作業/紡績、巻きつけ、巻き移し、色付け/ |
C.13 | 1312 | 布地の生産/カシミアやニット、布製等の各種生地製造に関わる機械設備/ |
C.13 | 1313 | 繊維製品の仕上げ段階の作業/織物、編物の仕上げ工程における機械設備/ |
C.13 | 1322 | カーペットや絨毯生産/床用編んだ敷物やカーペット、絨毯関連製品の製造に関わる機械設備/ |
C.14 | 1430 | 織物及び編物衣類の生産/織物及び編物で作られた衣服、またその他の日用品等の製造に関わる機械設備/ |
C.15 | 1511 | 皮や毛皮などの完全なめしや加工産業/皮や毛皮の最終加工において必要とされる機械設備/ |
C.15 | 1520 | 靴製造/靴製造のための皮革加工機械設備/ |
2008 年3月5日より、モンゴルの上記優先部門への投資には、10%の投資税額控除が与えられます。
この税額控除は、モンゴルの優先分野における新生産・サービスの開始、または既存の生産・サービスの拡張または更新のための償却可能資産に対する投資に対して適用されます。
さらに、労働・社会保障に関する投資法の規定第24条により、外国投資にかかる事業会社および外国法人の支店に雇用された外国市民は、モンゴル法に従い、所得税を納める義務があります。
また、税金を支払った後、所得を海外に移転できます。
さらに、FIFTAは、外国投資家にID カードを発給できます。IDカードは外国投資家が、数次入国ビザと居住許可を得るために必要ですし、外国投資企業および駐在事務所の国内・外国社員を管理するためにも必要です。しかし、企業が外国人を雇用する契約は、労働保障・サービス庁の管掌となります。
(1)中国
モンゴルに対する外国投資で圧倒的な地位を占めているのは中国です。
1990-2007年までの累計で11.8億ドルで、日本のそれが、0.8億ドルですから、中国は実に日本の147倍です。
中国のモンゴル投資の約60%が地質・探鉱・鉱業部門で、投資企業数は116社です。
24%を占める貿易、食堂部門では、企業数では、2146企業が進出しています。
(2)カナダ
カナダの投資は2.5億ドルで中国に次ぎます。鉱業部門向けが98%を占めます。企業数では22社です。
(3)ロシア
ロシアの投資は96百万ドルです。65%が鉱業部門向けです。同部門への企業数は5社です。
企業数で多いのは、貿易・食堂の282社、建設工事・建材生産で57社、食料品の生産で38社です。
(4)米国
米国はロシアに次ぐ、第5位です。
投資金額では、鉱業部門向けが31%で多く企業数では19社が進出しています。
もっとも、企業数で一番多いのは、貿易・食堂部門の67社です。
(5)韓国
韓国は第3位で1.4億ドルです。
貿易・食堂部門が、43百万ドルで、全体の30%、企業数では、全体の57%の819社です。
注目すべきは2005-2007で逐年、進出が増加していることです。
モンゴルの内需の増加を反映して増加しています。
次に注目すべきは、鉱業部門への投資です。韓国全体の投資額の12%を占め、26社が進出しています。
また、観光では95社、建設工事・建材の生産では24社が進出しています。
(6)日本
日本のモンゴル向け海外投資は他国と比べて低調です。
全体の35%を占めるのが軽工業向け(3社)ですが、この部門向け投資は最近の2005-2007年ではゼロです。
経常的に増えているのが、貿易・食堂部門です。
全体の15%、企業数では164社です。
しかし、この部門は、韓国と比べると、金額で、1/3.5、企業数で、1/5にしか過ぎません。
注目すべきは、鉱業部門への投資です。金額ベースで2.6百万ドル、企業数で7社です。
最近3年間では1社が進出しているだけです。この金額の持つ意味を各国との対比で検討してみましょう。
以下のとおりとなります。
日本の鉱業部門向け投資の相対地位
投資金額比(1990- 2007) | 企業数比(同) | |
---|---|---|
対中国 | 0.36% | 6.0% |
対カナダ | 1% | 3.1% |
対ロシア | 4% | 12.0% |
対米国 | 9% | 36.0% |
対韓国 | 15% | 30.0% |
国別モンゴル向け直接投資登録ベース比較(セクター抜粋)
1990-2007累計 FIFTA資料から
地質調査・ | 日本の各国 | 貿易・レストラン | 日本の各国 | |
---|---|---|---|---|
中国 | ||||
金額(百万US$) | 703 | 0.37 | 286 | 4.2 |
全体の% | 60 | 24 | ||
企業数 | 115 | 2,146 | 7.6 | |
カナダ | ||||
金額(百万US$) | 244 | 1.00 | 2 | |
全体の% | 98 | 1 | ||
企業数 | 22 | 25 | ||
ロシア | ||||
金額(百万US$) | 62.8 | 4.10 | 5.8 | |
全体の% | 65 | 43 | ||
企業数 | 59 | 282 | 58.2 | |
米国 | ||||
金額(百万US$) | 28.7 | 9.00 | 1.7 | |
全体の% | 31 | 1.9 | ||
企業数 | 19 | 67 | ||
韓国 | ||||
金額(百万US$) | 17.2 | 15.10 | 433 | 2.8 |
全体の% | 12 | 30 | ||
企業数 | 26 | 819 | 20.0 | |
日本 | ||||
金額(百万US$) | 2.6 | 12 | ||
全体の% | 3.3 | 15 | ||
企業数 | 7 | 164 |
団体名 | モンゴル会計・事業支援センター |
---|---|
日本事務局 | 株式会社 TKMコンサルティング 260-0021 千葉県千葉市中央区新宿2-5-3大同生命ビル5階 |
電話番号 |
043-204-5181 |
FAX |
043-247-7901 |
モンゴル事務局 | OKUNOU MONGOL Co.,Ltd 5th Floor, Orchil Center Bayanzurkh District, Ulaanbaatar, Mongolia |
電話番号 | +976-7717-6677 |
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